トイレについての評価は主観的な要素が強く、また使い勝手も個人の身体状態によりマチマチですが、今回の調査においては一般のバリアフリートイレマップには欠落しがちな「まず紙はあるか」、「きれいか」、「不快な要素はないか」といったみんなが感じる点にも重点を置きました。
多少の異論もあるかと思いますが、おおよその調査観点は以下のとおりです。
ドアは開きやすいか(軽いか)? 車椅子に乗り、ストッパーを掛けた状態で片手で開閉できる程度なら◎
ドアの前に充分なスペースがあり、床面に凹凸勾配がないことも必須条件。
鍵は掛かるか? 掛かるだけなら○、車椅子からの施錠開錠がしやすいなら◎
手かざしセンサーの場合、すぐ横に大きな文字で分かりやすい使用説明があれば◎
センサー式は視覚障害を含め熟慮のこと。
清潔に維持管理されているか? シートペーパー、ハンドソープ、ハンドタオル等が満たされていれば◎
きちんと掃除してある程度は○。明らかに使用者のマナーの問題の場合は減点せず。
床はぬれていないか? 床がタイルかどうかもチェックのこと。
靴を脱いでソックスのまま立てるようであれば◎
(車椅子から落ちた場合を想像して)
トイレットペーパーの予備はあるか? その施設の利用頻度を考慮し充分なら◎、ただあるだけなら○
できれば複数回調査のこと。
ボタンやレバーは操作しやすいか? 取り付け高さ、位置、機種の種類チェック。体をひねらないと操作できない、
便座から離れないと操作できない等は○無し。
器具や設備は正常か? 全てのものが正常な場合のみ◎。他は壊れているもの(老朽化含む)
の重要度による。
広さは充分か? 充分な広さとは車椅子が容易に方向転換でき、2人の介助者と本人が
入ることができ、内法寸法で概ね4.2u以上あること。
荷物用フック(置き台)はあるか? オムツ替えシートは荷物用置き台にも使えるので○
外部に連絡はとれるか? 非常灯(ベル)が便所外で点灯するタイプについては、
外部の人間が気づきやすいかチェックのこと。
プライバシーが守られているか? 介助者が途中退席する際、便室内が第三者から丸見えにならないかどうか?
又ドアの外に普段何人くらいの人がいるかによる。
又排便音、臭気が外部に漏れないことも重要。
欄間開放トイレブースの場合、乙姫等の設置でも可。
館内の案内表示はわかりやすいか? 老眼、弱視、車椅子の視点を考慮する。(健常者に分かる程度は○。数も関係します。)
ピクトサインは高齢者でも判別しやすいか(見慣れたものであるか)
説明等の文字は大きく見やすいか? 老眼、弱視を考慮する。
又機器の説明では専門用語が少なく高齢者にも理解しやすいものとする。
空調、換気設備はあるか? 換気設備のみは○。空調設備がある、又は館内が全館冷暖房の場合◎
照明は適度に明るいか? 文庫本が読める程度なら◎(概ね明るいトイレは清潔です)。